在りし日―――。
王国は、澱みから湧き出た闇に飲まれ、大いなる呪いに囚われた。
光は消え去り、人々は絶望の内に死んでゆく…。
そんな時、北の聖域より光の巫女が現れ、 闇を払い、呪いを飲み干した。
王国には光が戻り、人々は絶望から解放された。
――しかし、闇を一身に受けた巫女は呪われ…
その器から澱みは零れ出し、更なる災厄をもたらしたという。
いつしか巫女は闇の聖女と恐れられ、畏怖の対象となっていった。
巫女は自ら、暗く、深い地底の聖域へと入り、己自身と闇を封じ込めたが、 それでも人々は恐怖に駆られ、ついに国王は呪われた巫女の亡骸を差し出した者に、 莫大な報酬と最高の栄誉をあたえるとの触れを出した。
やがて人々もそれに習い声高に叫んだ。
―――――呪われた聖女を殺せ!闇の聖女を殺せ!
…巫女を殺すために、様々な猛者が闇の聖域へと足を踏み入れた…
だが…巫女の宿した闇は深く…呪いは、聖域への侵入者達を打ち滅ぼしていく…
やがて大いなる呪いは澱みを生み出し、王国を再び蝕むだろう。
ここは辺境の王国「ヘイルロード」…。
恥知らずの王…人の心を持たぬ獣の王「ミカロス」の国…。
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